SNS総フォロワー数225万人超えの
大分発・ゆるふわインフルエンサー


SNS時代をリードするZ世代(1990年代半ばから2010年代前半生れ)女子にとって憧れの存在である大分市出身のきりまるさん。チャンネル登録者数92万人超え(2023年1月現在)のYouTubeをはじめ、Instagram、TikTok、Twitterなど、SNS総フォロワー数225万人超の彼女は、等身大の自分を赤裸々に発信するスタイルに好感度が高まっています。大分が大好きで、芯の強い一面も持つ彼女の横顔を深掘りしてきました。

───きりまるさんのSNSで最初にバズったきっかけは何だったのでしょう。

もともと高校生の頃、当時つきあっていた彼氏とのカップル動画を、今でいうTikTokみたいなアプリ「MixChannel(現・ミクチャ)」に間違って投稿したのが始まりなんです。
───間違って?

そうなんです(苦笑)。当時は交際1年目とか何かの記念日に、お互い動画を送り合うことが流行っていたんです。で、私が使い方をよく知らないこともあって、非公開で彼氏だけに送る編集動画をポチッと間違って公開にしちゃったんですよ。それがなぜだかバズっちゃって、その反響に彼氏もビックリ。「じゃあこれからカップル動画を毎日公開していこうか」となったんです。


───SNSで全国に向けて発信するとか、当時としては珍しかったのでは?

そうですね。そのうち私ひとりで活動するようになったんですが、顔出ししてるから友達や周りの人たちからもチヤホヤされ、イベント出演で東京に行ったりすることもあったので、私も有名人の気分になっていたこともありました。でも逆にイジメみたいな扱いもされるようになり、正直キツイことも続きました。厳しい校風の高校だったから母親が呼び出されたこともありました。
───それだけ辛い目にあって、SNSか、高校か、どちらかをやめたいと思わなかったんですか?

5年制の看護科に通っていたんですが、どちらも両立させたいという思いが強かったんです。看護師になろうと思ったのは、母親が看護師だったから。小さい頃から職場へよく行ってたんですが、母親が働く姿を見て、私も母親のようになりたいなと思ったんです。
───その努力が実って、見事に看護師の資格を取得したのですね。

卒業後は大分市内の病院に勤務するようになったのですが、あらためて自分に向いている職業だなと思いました。今のお仕事をしていなかったら、そのままずっと看護師をやっていたと思います。ご高齢の患者さんが多かったのですが、お話をするのが好きだったし、病棟で最年少だったので皆さんから可愛がってもらっていました。

看護学校時代の苦労を初告白。
これがバネとなって今の彼女があります
https://youtu.be/ME_4eeQlA04

───きりまるさんから沢山の元気をもらえそうですね。人を包み込むような明るくてやさしそうな性格は、子どもの頃からですか。

基本的に性格は変わっていないかな。でも意外と内弁慶で、外では人見知りなこともあったけど、家に帰るとずっと歌っていたり、変顔したりと、ちょっと騒がしい迷惑な子だったと思います(笑)。ウチは裕福ではなかったけど家族全員、とにかく明るかったですね。
───「えみ姉(えみねえ)」こと、お姉さんも人気のインフルエンサーですね。

姉は見た目も中身も私と全く真逆のタイプ。私はふわふわっとしてるけど、姉は思ったことをズバッと言えて、強い女性という感じ。上京した時もそばにいるから安心できる存在でもあり、尊敬してます。あと3歳差の弟と17歳差の妹がいて、4人きょうだいです。
───話を聞いているとお母さんの存在って大きいように感じます。

私のことで学校に呼び出された時も、「他人に迷惑をかけないのなら、あなたが思う通りにやりなさい」と言ってくれたから、SNSも続けられました。でも、すっごい厳しいところもたくさんあって、門限を1分でも過ぎたらビンタされたり、食事中はテレビを消して静かに正座して食べるよう躾けられたり、そうかと思えば「怪我をしたらツバを塗っとけば、そのうち治る」と言われたり、まるで“ザ・昭和”な育て方でした(笑)。基本的な礼儀や挨拶、人の悪口を言わないとか、とにかく人として大切な部分に関しては厳しく育てられました。それが今になって、すごくありがたいなと痛感しています。厳しくされたからこそ、どんなことでもありがたく感じるし、裕福ではなかったからこそ、今のお仕事や生活ができることを心からありがたく感じるようになっています。

シングルマザーとして育ててくれた
お母さんにプレゼント。泣けます
https://youtu.be/gG8eCIliYI0



───SNSの活動1本に絞ったのはいつからですか。

看護師のお仕事は楽しかったのですが、働きながらSNSと両立させることが難しくなってきました。働きはじめて2年ちょっと経った頃、体調を崩してしまって休職せざるを得なくなったんです。休職中に、どちらの道を選ぶかすごく悩んだのですが、なかなか経験できないことにチャレンジしてみようと、SNSの活動に絞りました。YouTubeチャンネルを開設したのは、この頃からです。
───大分に住みながらインフルエンサーとして活動していたのですね。

ずっと大分で活動したかったのですが、そのうちアパレルとコスメブランドの立ち上げやスタイルブックを発売するようになり、打ち合わせや撮影で何度も上京しなきゃならなくなったんですね。最終的には毎週1回は東京に行くようになり、動画編集など本来の活動にも時間的な支障が出てきたので2021年に泣く泣く上京しました。生まれてから24年間を過ごした大分を離れるのは、寂しくてたまりませんでした。しかもコロナで友達とも会えず、実家にも帰れなかったんですよね。
───東京での暮らしはいかがですか。

東京へ遊びに行ってた時は楽しかったけど、いざ住んでみると未だに落ち着きませんね(苦笑)。どこへ行くにも、何をするにも人が多くて、ご飯を食べに行くのも予約しないと入れない。とにかく疲れてしまうのであまり外出せず、意外と自宅で地味に暮らしてます。ウーバーイーツが豊富なところは便利かな(笑)。
───大分と一番違うところは何でしょう?

温泉ですね! 大分では頻繁に温泉へ行ってました。友達とご飯食べに行った帰りに、ちょっと温泉に行こうかって、まるで映画でも観に行く感覚で温泉を楽しめるって、すごくないですか。入浴料もめっちゃ安いし、そもそも東京には源泉掛け流しの天然温泉って、ほとんどないのが悲しいです。

上京前にアップした大分ひとり旅動画。
大分愛が伝わってきます
https://youtu.be/izDfVdGcPOs

───毎回の発信で気にかけていることはありますか?

基本的に私のファッションやメイクが気になっている女の子からの質問に答える構成になっています。「今日の服はこうだよ」とか、「最近こういうメイクが気に入ってる」とか、すべて私の個人的な感覚で答えています。以前は雑誌などから学ぶこともあったけど、あまり無理をせず、思うがままのコーデをやってみて、「これ、カワイイかも」と感じたものを伝えています。もちろん流行を取り入れたりはしますが、私の好きな洋服やメイクの色味などを参考にしてくださる視聴者が中心なので、自分が楽しみたいものを好きにやっています。
───語り系の動画も人気ですね。

ファッションやメイクの話とは別に、朝夕のルーティンなど私生活の部分や、普段考えていることを織り交ぜ、ありのままの私を発信しています。知り合いのユーチューバーさんたちとコラボでやることも多くて、いつもと違ったジャンルを発信することで視聴者の皆さんに飽きられないような工夫も心がけています。
───きりまるさんの人間味があふれる、等身大の姿が伝わってきます。

ユーチューバーって芸能人と違って、親近感があるから応援したくなるような存在かなと思っています。もともとズボラだから(笑)「私生活を出しすぎると引かれてしまうかも」と思っていたら、逆に共感されることもあったりして…。最近はあまり気にせずに発信するようにしています。
───動画の制作は、誰か手伝ってくれるスタッフがいるのですか。

いえ、すべて自分で編集しています。私なりのこだわりがあって、自分がやったほうが面白いだろうと思ってます(笑)。編集もサボろうと思えばサボれるけど、満足のいくものに仕上げたいので、朝からぶっ通しで10数時間もパソコンに座り放しで集中して、それが3、4日かかることもあるんですよ。

メインコンテンツでもある好みの
ファッションコーデーを気ままに発信
https://youtu.be/yICSo-JWBbU



───YouTubeチャンネルがバズった最初のキッカケは何だったのですか。

実は私、パニック障害を患った時期があって、そのことを動画で告白したんです。同じような境遇の人が私の周りにいなかったからこそ、一人で抱え込んで悩んでいる人がいるのかもしれないと思ったんです。これが大きな反響を呼んで、それまで女子高生や大学生が中心だった視聴者が、世代も職業も幅広い皆さんに視ていただくようになりました。
───告白するのに、かなりの勇気と覚悟が必要だったでしょう。

すごく緊張したし、いつもと違う雰囲気で大丈夫かなとも考えました。公開後、「そんな演技をしなくてもいいよ」「そんなの作ったウソだろ(笑)」と誹謗中傷もあったけれど、「動画を通じて勇気づけられた」「同じ仲間がいて安心した」と、共感していくれる声の方が多かったので、思いきって告白してよかったなと思いました。

自らの体験を紹介しながら思いきって発信。
克服方法を紹介した動画もあり
https://youtu.be/mCMwVuzvb4k



───きりまるさんと同世代かそれ以下の女性がコアな視聴者層なのでしょうが、自分より上の世代の人たちって、どう映っていますか。

なんだかんだ言っても、人生の経験値は絶対に勝てないし、リスペクトする存在ですね。年齢が離れるほどいろんな経験をされているから、そういう方々のお話を聞いてみたいと思います。その一方で、ネットやSNSに対する偏見が先行している方も結構いらして、もったいないというか、もっと経験の幅が広がるのになと思うこともあります。
───チャンネル登録者数100万人超えも目に見えてきました。これからチャレンジしたいことはありますか。

もともと30万人くらいになれば十分かなと思っていたので、正直これだけ沢山の方が登録してくださったことに驚いています。そのぶんお仕事の幅も広がってきて、やりたいこともどんどん変わってきています。なによりも昨年から大分のお仕事が増えてきたのが、うれしいですね。大分から離れて住んでみて心底、大分が好きなんだとわかりました。いつか大分の観光大使になって、大分の魅力をたくさんの人に知ってもらい、誰もが「旅に出かけるなら大分へ」と言われるようになるお手伝いをしたい! こういうお仕事をしているからこそ、できることだと思っています。

〈きりまる公式プロフィール〉
https://seju.tokyo/talents/kirimaru/
