ブランドデザイン株式会社
プロモーションディレクター 佐藤和彦さん

映像や写真がもつ「伝えるチカラ」で、 笑顔や感動を届け続けたい
「今回は映像カメラマンとして、テレビCMや動画の制作を手がけている人の取材です」と聞き、迎えたインタビュー当日。「いわゆるクリエイターさんか〜。緊張するなぁ」とちょっとドキドキしながら対面した、佐藤和彦さん。
しかしこちらの勝手な想像とは裏腹に、「はじめまして〜。どうぞよろしくお願いします!」と、とっても物腰やわらかく、穏やかな方。
佐藤さんは、県内企業のテレビCMをはじめ、プロモーションビデオや動画コンテンツの制作や提案、YouTubeチャンネルの運営や動画制作のレクチャーなどを行う「ブランドデザイン株式会社」を営みつつ、「Luminous(ルミナス)」という屋号で、大分県内の星空の写真を撮る活動も行うなど、映像や写真を通じて「伝える」ことにおいてのスペシャリスト。
最近では「大分銀行」の2023年のポスターに、佐藤さんが撮影した豊後大野市緒方町の“原尻の滝”での星空の写真が起用され話題に。
佐藤さんが思う、映像の魅力やこれからのことなど、いろいろ探ってみました。
───佐藤さんのお仕事、“肩書き”で言うならば、なんと表現したらいいでしょう?
いろいろやっているので、ひと言では表現しにくいのですが、ざっくり言うと「プロモーションディレクター」と言うのでしょうか。テレビCMやプロモーションビデオなどの企画から制作を通じて、ご依頼いただいたクライアントさんのやりたいことや伝えたいことを表現するお手伝いをしている、というのが分かりやすいですかね。
映像を中心にやってきてもう30年ちょっとになります。
───そもそも映像の世界に入ったきっかけはなんですか?
もともと写真や音楽とかは好きだったんですけど、仕事にはできないなぁと思っていて。そんな社会の右も左も分からない19歳の時に、大分市内にいる親戚が営む新聞販売店から「人手が足りないから手伝って」といわれ、新聞配達の手伝いをちょっとだけやっていたんです。その時、新聞配達先の隣に、後々働くことになる大分の映像制作会社があり、そこに「テレビカメラマン募集」の貼り紙があったんです。
それを見たとき「写真じゃなくてテレビカメラか。そんな仕事があるんだ!」と興味を持ち入社したのが、この世界に携わることになった一番最初のきっかけです。
それからテレビの番組制作を中心に仕事をしてきて、2000年にフリーランスとして活動を始めました。その間に、雑貨店や飲食店をやったりもしましたが約2年で閉店。
他にもインターネットを通じて、オリジナルのコンテンツを配信する事業もやりましたが、当時はインターネットが普及して間もなく、YouTubeもまだ立ち上がったばかりの時代。当然なかなか需要がなくて。なのでいろいろ経験も失敗もしましたね。
そして再び、自分が元々やっていたテレビCM制作や動画制作などに重きを置くようになり、今に至ります。
───現在、具体的にはどんなものを制作されることが多いですか?
大分県内では、企業のテレビCM制作が多いです。最近は、大手だけじゃなく中小企業でもみなさんホームページを持っているので、その中のコンテンツの一つとして、プロモーションビデオやYouTube動画の制作も増えてきました。
個人的には、実写とイラストを合成した、ちょっとグラフィカルな動画をつくるのが好きなので、そういうテイストの映像も提案したりします。
───30年以上、映像の仕事に携わってこられて、どのくらいの数のテレビCMを手がけられたのですか?
1000まではいかないと思いますけど、500本以上はあると思います。
───(過去の制作映像をみながら)わっ! これ、テレビで見たことあります、このCM(と、思わずBGMを口走る私)!! 最近印象に残っているお仕事とかありますか?
別府市の大学の依頼で、学科紹介の動画をつくったんですが、それは、あえて全部iPhoneで撮影したんです。10代、20代のSNS世代は、動画見るのもほぼスマホの時代。そういうニーズをふまえ、端的でストーリー性のある発信で魅力を伝えるためには、iPhoneで撮影するのが一番だなと思って撮りました。
───iPhoneひとつで、プロモーション動画も手軽に撮れる時代…すごい。佐藤さんの思う、映像の魅力ってどんなところだと思いますか?
限られた時間のなかで、即座に伝えるチカラを持っているところですね。
短い中に、4コマ漫画みたいに起承転結があって、人を惹きつけるチカラを持っているところです。今の時代、インターネット上で情報が得られるのは当たり前で。そのなかでいかに早く、分かりやすく情報を伝えられるのが、映像の魅力だと思います。
───映像だけでなく佐藤さんは星の写真を撮る活動もされてますよね。きっかけはどんなことだったのですか?
幼い頃に夜空を見上げたときに目の前に広がった星空が、夜空を見るたびによみがえって。いつか、星空の写真をたくさん撮りたいなぁとずっと思っていて、9年くらい前から撮り始めました。

───(星空の写真を見させていただきながら)めちゃくちゃキレイ! っていうかこんなにホントに星ってあるんですか?失礼ながら・・・合成とかじゃないんですよね?
合成はしてないです(笑)。星ってよく見るとメチャクチャたくさんあるんですよ。これまで、たくさんの星空の写真を撮ってきましたが、今回ご縁あって、大分銀行さんのカレンダーに、作品のひとつである、“原尻の滝”で撮った作品を起用していただきました。
───佐藤さんが仕事を通じて何かモットーにしていることってありますか?
「楽しく生きる!」「ワクワク生きる!」ということですかね。僕、実は7年前に交通事故で入院したんです。幸い大きなケガはなかったんですが、その時に初めて「人って死んじゃうんだ」って身をもって感じました。家族や友達、大切な人に「さよなら」も言えないことが、人生には起こるんだって。
事故に遭う前の自分は、どちらかというとネガティブなタイプだったんですけど、事故以降は、「自分がやりたいと思うことをどんどんやっていこう、大切な人たちとの時間は大切にしよう!」というポジティブな志向に変わりました。
イヤなこととかやってる暇ないですし(笑)。自分がワクワクして楽しいことやっていたら、人のことも幸せにできるかもしれないって思うようになったんです。

───今後やってみたいこととかありますか?
まずは長年、大分を中心に映像制作をしてきた経験や自分なりの目線を活かして、企業の魅力を伝え続けていきたいです。また企業自らも動画を手軽に作れるよう、動画のレクチャーとかもやりたいですし、大分県内の観光地の魅力を深堀りしたプロモーションビデオとか作ってみたいし…。やりたいこと、たくさんありますね(笑)。
あと、個人的には「表現」と「旅」をテーマにして今年も活動していきたい思っています。
星の写真を撮る活動にも通じることなんですけど、大分県内だけでなく全国各地のまだ出合えていないたくさんの風景を、旅するように撮り続けていきたいです。
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