別府市

株式会社 城島高原オペレーションズ
代表取締役社長 後藤 康男さん

#アイススケート #ジュピター #遊園地

幾重の天災をくぐり抜けてきた 大分愛溢れるサラリーマン社長

大分を代表する遊園地「城島高原パーク」。今では九州で2つしか遊園地がないというから、九州を代表すると言っても過言ではないでしょう。木製コースタージュピターやバードマン、ポセイドン30をはじめとした絶叫系の人気アトラクション揃い踏みの「城島高原パーク」「城島高原ゴルフクラブ」「城島高原ホテル」を運営する「城島高原オペレーションズ」代表取締役社長の後藤康男さん(63)。ホテルのロビーで待ってくださっていた社長は、真っ赤なチェックのネクタイがお似合いの、とても63歳には見えない若々しく紳士な雰囲気。社長に就任して今年で丸4年を迎えるそうです。この間、震災、豪雨、コロナ…と、想定外の出来事が社会を混乱させました。そんな中での社長就任…。「災難をプラスに変え、今やっと光が見えてきた…」と優しい笑顔で話してくれました。

───初めまして。よろしくお願いします! 後藤社長は元銀行マンだったと伺ったのですが…

そうなんです。2016年に銀行を退職し、城島高原オペレーションズに着任しました。熊本地震の翌日に緊急役員会議開催での初出勤でした。城島も大きな被害が出たので大変でした。最初の仕事は従業員の差し入れのおにぎりを買っていくことでしたからね。翌年には九州北部豪雨、そこからのコロナ禍…。入社してからあまりいい思い出がないんですよ(泣)。

───辛い時期でしたね(涙)コロナ禍の影響はまだ続いてますか?

1年の中で一番勝負をかけるGWも、天気がいいのにコロナ禍で休園を余儀なくされることもあり、砂を噛むような思いもありましたが、おかげさまで、今年はコロナ禍前の収益を超えるぐらい調子は良くなりました。

───そういった前向きな話を聞くとなんだか嬉しい気持ちになりますね。よかったです。では、城島の歴史について教えてください。

昭和50年頃の城島高原

あまり知られてないんですが、実は城島の前身は「鐘淵紡績会社(かねがふちぼうせき)」という繊維会社だったんです。軍人さんの制服を作っていました。敷地内の牧場では羊やアンゴラウサギを飼っていたんですよ。戦争が終わった後、別府と湯布院の間の避暑地としての観光業に着目し、ホテルからスタートしました。観光業を始めて約60年の歴史があるんです。

───長年大分に住んでいながら全然知りませんでした!ところで後藤さんが社長に就任することになった経緯を教えてください。

22歳で地元の銀行に入社し、55歳まで金融業一筋でやってきました。城島の以前の外資系の親会社が2012年に城島を売却するという話になり、海外のファンドが購入に手を挙げたんです。でも城島は公共性、公益性も高く、地元の人たちの認知も高い、いわば「大分の財産」。城島のことを全く知らない海外のファンドにひれ伏してなるものかという機運が銀行内で高まり、銀行の関連会社がファンドを組成し筆頭株主になり、地元の地方銀行資本の会社になったというわけです。そのファンドの社長から依頼され、私が当時、専務として就任したという運びです。ま、いわばサラリーマン社長です。

───なるほど! そういった理由で銀行マンだった後藤さんが社長になられたんですね! すごくわかりやすく説明していただきありがとうございます。仕事のやりがいを感じるのは、どんな時ですか?

会社の経営理念が「お客さまの笑顔が見たい!」です。お客様が喜んでいる姿を見ると、かけがえのない喜びを感じますね。コロナ禍を経て再認識したのは、こういう時期だからこそ娯楽施設は絶対に必要だということ。絶叫してストレスを解消したり、息抜きをしたりと、そういう実体験ができる場所はなくてはならない! と確信しました。ゲームやスマホではない、外で思い切り遊ぶリアルな体験は絶対に必要です。

───経営の立て直しなどのご苦労も多いのでは?

6万本の米松で組み上げた壮大な美しさを誇る、日本初の木製コースター「ジュピター」

そうですね。投資をしないとお客さまに飽きられ、遊園地は陳腐化していきます。投資し続けないと魅力が出ない業種なので、経営はなかなか厳しいですね。後楽園(今の東京ドーム)が親会社だったバブル期は200億円という投資をして木製コースタージュピターなどの目玉を作ったんです。それが平成4年です。そのリニューアルがなければ倒産していたかもしれませんね。ジュピターができた時は、別府の流川通りまで車が渋滞してたんですよ。九州ではもう、熊本県のグリーンランドと、城島高原パークしか遊園地は残ってないんです。淘汰されていってる感じですね。経年による改修にも莫大は費用がかかりますし、常に借金を抱えながら、お金とにらめっこして経営をしていますよ。

───多くの天災にも見舞われましたしね…

熊本地震の時は、ホテル、ゴルフ場に大きな被害が出ました。遊園地も照明が割れて破片が散らかったり…。さきほども少し話しましたが、初出勤の仕事は、コンビニで社員のおにぎりを調達することでしたから。みんな喜んでくれましたけどね。城島に向かう途中の道路状況も悪くて他県からのお客さんも来られない状態でした。豪雨の際も園内の桜の木に被害が出ましたし、台風がちょうどお盆に当たったり(涙)遊園地としては大打撃です。
でもコロナ禍が最も大変でしたね。収束しそうになったら、また感染の波がやって来て…と、目に見えない敵との戦いに終わりが見えない状況でした。今は全国旅行支援の影響もあり、おかげ様で客足も戻ってきています。
今期はコロナ前よりも収益が良くて、私が社長に就任してから一番の利益を上げてくれています。

───本当に良かったです…。今年の3月には大規模リニューアルを行いましたよね

2022年3月にリニューアルした城島高原パーク

7億円を投資してリニューアルしました。遊園地のリニューアルというと、新アトラクションに投資しがちですが、入場ゲートに入って「なんか明るくなって、綺麗になったな」という第一印象を与えたいと、路面の凸凹や、店舗の色褪せを塗り直したりという園内インフラに力を入れました。綺麗な場所で働くと、スタッフの気持ちも上がりますしね。コロナ明けのスタートダッシュをつけたくて、今のうちに設備投資をしておこうと考えていました。そうすればコロナが落ち着いたら「城島に行こう」という選択肢になりうると思っていたからです。

───社長が考えている、今後の展望を教えてください

日常の経営の安定に入りたいですね。遊園地は常に投資が必要です。負債を順調に返し、折をみてまた投資をして魅力的な遊園地に進化し続けたいと思っています。それと、どんな苦しい場面でも、人材は宝。人材を確保して、マンパワーを蓄えておきたいですね。いくら素晴らしい料理が出てもサービスが悪ければお客さんに喜んでもらえません。おもてなし、ふれあいをお客様は求めている。こういう部分を徹底することで社内の意識の輪も広がるし、それがお客様へダイレクトに伝わると思っています。私の力など微々たるものですが、そういった部分にも、さらに力を注いでいきたいですね。

───話はガラッと変わってすみません。社長のプライベートを覗き見したく…。趣味はなんですか?

私の趣味は大分トリニータの応援です! ホーム戦はほぼ観戦に行ってるかな。サッカーだけじゃなく、大分のスポーツチームの試合にも応援に行きますよ。あとはお酒を飲みに行くのが好きですね。自宅は大分市なので、中央町や府内町に一人で出かけ、よくハシゴ酒してますよ(笑)

───大分愛に溢れる、お酒好きな社長の素顔が垣間見れました(笑) 是非お酒、ご一緒したいです! 最後に城島のPRをどうぞ!

城島高原アイススケートが今年もオープン 11/26(土)〜2/26(日)

ゴルフ、遊園地、ホテルが揃っているので、ご家族で泊まって、祖父母は湯布院観光、お父さんはゴルフ、子どもたちは遊園地と、それぞれが好きなことをして思う存分楽しんでほしいですね。Wi-Fiやプロジェクター、会議室もありますので、今流行りのワーケーションとしての利用も可能です。お父さんは働いて、家族は遊園地で遊ぶという使い方もできますしね。ぜひ余すところなく楽しんで帰ってほしいです。あと、毎年好評のスケートも始まっています。クリスマスイベントと一緒に、冬の城島高原パークを満喫してほしいですね。

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