大分市

九州自然動物公園 アフリカンサファリ
取締役園長・獣医師 神田岳委さん

#アフリカンサファリ #動物園 #大分観光

私に根付いている“ジャイアント馬場理論”
動物たちを「すげえ!」ってリスペクトしてほしい

シュッとしたインテリな風貌と軽快な語り口調が視聴者を惹きつけ、九州自然動物公園アフリカンサファリの歩く広告塔として、今やメディアに引っ張りダコな神田先生。本名・神田岳委(いわい)さん(53)。
すでに周知されていると思うが改めて紹介すると、アフリカンサファリの獣医さんであり、取締役園長という、実はすごい肩書きを持った方なのだ。テレビで拝見するそのままの、明るくておしゃべり大好きな神田先生は、アメコミ、プロレスが大好きというオタクな一面がある一方、動物たちへの愛に満ち溢れた、お茶目で素敵な方だった。

_初めまして(芸能人を見るかのような眼差しで)。本物だ!(感動)
いつもテレビ見てます! 神田先生、突然なんですけど、なんで獣医になったんですか?

幼稚園か小学校低学年ぐらいの時だったかな。テレビのドラマで「刑事犬カール」っていうのがありました。 カールというシェパード犬が勝手に事件を解決していく物語なんですけど、カールは全然喋らないのに、訓練士さんがカールの言ってることが全部わかって事件を解決していくドラマだったんです。子どもながらに「犬と心が通じるこんな仕事があるなら、これになりてぇ」と思ったのが最初です。大型犬にも憧れがあったし、犬を飼いたくて仕方なかったんだけど、両親は共働きで「いわいが面倒見れるようになったらね」と言われて…。でもある日、犬種は未だにわからないままなんですけど、柴犬っぽい犬を父がもらってきてくれたんですよ。「ケン」っていう名前をつけて。「犬」と書いて「ケン」なんだけどね。

_え?「犬(ケン)」っていう名前の犬だったんですか??(爆笑)

「神田犬」って書くと、すごく座りがいいでしょ。なんか「秋田犬」みたいで(笑)。
もう、本当にケンが大好きでね。で、ある日、ケンがバタッと倒れて悪くなって、近くの獣医さんが来てくれたんです。来たのは、おじいちゃんの獣医さんで、子どもながらに頼りない感じが若干不安で…。でもその人が注射をしてくれたら、ケンが元気になったんです。そこから急にその獣医さんが魔法使いに見えてきて。そこから獣医を目指すようになって、東京の大学に行き、獣医の国家資格を取りました。

_卒業して、すぐサファリに就職したんですか?

皆さんあまりご存知ないと思いますが、獣医って色々な道があるんです。一般的には犬猫病院とか動物園、公務員のイメージがあると思うんですけど、食品や食肉、化粧品、製薬会社など、色々な業種の仕事で必要とされています。獣医になれるのは年間1000人ぐらいしかいないので引く手あまたです。だからもし獣医の資格が取れたら、仕事は色々あるから、とりあえず東京で他の仕事をしてみてもいいかなって思ってて、実際に獣医ではない仕事の誘いもあったんです。

国家試験も終わって、じゃあどうしようかなと思ってた矢先、母から父の体調が悪いと連絡があって(お父様は今もお元気です)。それなら、就職先があれば大分に戻ってもいいなと思って帰りました。それが2月ぐらいだったので、公務員の試験はすでに終わってたし、動物病院でインターンで働こうかなと思ってたら、動物園もいいなと。それでサファリに電話したんです。「今年の4月から働かせてください」って電話したら人事担当の人に「2ヶ月後に働かせてくださいって? 非常識だよね…」とそこそこ叱られて(笑)。「何がしたい?飼育係り?」「飼育といえば…そうですね」「飼育係で何をしたい?」「動物が病気になったら治療をしたいです」「え?獣医の資格あるの?」「国家試験受けてるので、合格すれば獣医になります」「え! …じゃあ、合格したら4月から来て」というやりとりがあって、合格したのでそのまま就職しました(笑)。実はその年に、2名の獣医さんが辞めることになってて、次の獣医を探して欲しいというタイミングだったらしく。縁があったんでしょうね。25歳で就職したので、サファリ歴は28年。そこそこ長いですよ。

_今は園長さんとしてどんなお仕事をされてるんですか?

各部署との打ち合わせや、治療の相談、メディアの取材を受けたり、動物の社会普及活動として講演したり、園内の動物の写真を撮ったりしてます。獣医の仕事は、もう一人、一生懸命やってくれてる子がいるので任せています。昔は営業や広報の仕事もしてました。ジャングルバスも運転してましたよ。

_え?神田先生自らが?すごいレアパターン(笑)

今も運転したいなと思うけど、「なげぇ!」ってみんなに反対されます。50分ぐらいで回るところを、喋りすぎて1時間20分くらいかかちゃうから(笑)

_獣医の仕事で思い出深いエピソードがあれば教えてください

動物園の獣医ってちょっと特別なんですよね。動物病院の獣医さんは検査や治療など一人でこなす人が多いですが、動物園の獣医は一人では何もできないんです。飼育員とバディーを組んでやっと仕事が成立するんです。犬や猫や牛は、何万年も人と一緒に暮らしているので、ある意味、人間に油断してるんです。痛いとか調子悪いという弱みを見せてくるからわかりやすい。でも野生動物は弱みを見せてはいけない。草食動物だと食べられてしまうし、肉食動物は群れから外されたり、自分のパートナーを取られることがあるから、例え骨折しても我慢するんです。だから私たち獣医はなかなかそれに気づけないんです。でも、いつもとは違う雰囲気を察知できるのは、毎日動物と関わっている飼育員なんですよ。人間界でいうなら、喋れない乳幼児を相手にする小児科と母親の関係に近いかもしれません。母親が、いつもとは違う赤ちゃんの異変に気付いて、小児科の先生が診断する。飼育員は、動物たちにとって、母親のような存在。その少しの異変に気付けるのが優秀な飼育員です。若かりし頃は、私より年上のベテラン飼育員さんにガンガン言われて、鍛えられましたね。やりあったこともあるけど、そういう経験もあって、今があります。大学では、犬、猫、牛、鳥くらいの医療しか勉強しなかったので、初めてライオンを治療した時、すごく怖かったのを思い出します。

みんなに「大丈夫!」と背中をぐいぐい押されながら(笑)最初の一歩がなかなか出ませんでした。檻の中に入って、麻酔を打って治療するので、麻酔が効いてるか?棒でつついて動かないかを確認しながら…。時々筋肉がピクンと動いたりで、平気な顔して治療をしてるけど実はめちゃくちゃ怖かった。あの動物の大きさとか恐怖に慣れるまでは時間がかかりましたよ。

_治療で大変だったことは?

野生動物って悪くなると早いので、基本、治療をしても100%治ることはまずないんです。大きい動物は立てなくなったら終わりなので、痛くて泣いていても、苦しんでいても、心を鬼にして立たせなければなりませんでした。これは毎回、本当に苦痛でした。でもそれも獣医の仕事。新たな誕生に喜び、亡くなれば泣く。スタッフはみんなそうです。だけど、私は常にフラットでいたいと思っています。獣医が焦ると、他のみんなが焦るからね。最後の希望の光を求める頼みの綱で、飼育員から獣医にバトンが渡される。だから、やれることを最大限にやって、悲しいけれど亡くなってしまうなら諦めがつく。動物たちの命がある限り、私たちは何をしてあげられるのか? それを全うするのはとても大事だと思っています。

_お休みの日は何をしてますか?

究極のインドア派なので、なんもしないで一日中家で映画を見てます。アメコミが大好きで、最近だとスパイダーマンは面白かったですね。全部映画館で見てるんですけど、今回の作品で今までのが全て腑に落ちた! あとティム・バートンの「ナイトメアビフォークリスマス」が大好きすぎで、ジャックの人形とかフィギュアが家にたくさんあるんです。引っ越しの時、業者の人に「こんなにもガイコツを運んだのは初めて」と言われたほど。あと漫画も好きで読んでます。もともとオタク体質なんだと思います。

_憧れの獣医になって、嫌いじゃない(むしろ好きな)喋りでメディアに出て好きなこと、できている感じですね

そうですね。本当に楽しいです。実はカメラも好きなんです。写真も撮ってて、SNSとかでアップしたり、写真集を出したり、コーヒーのパッケージに写真を使ってもらったりしました。一時期はカレンダーの写真も撮ってました。私は動物をグラビア風に撮りたいと思ってて、アイドルの水着写真を撮ってる感覚で動物を撮影してます(笑)。私たちの距離感でしか撮れない表情や、動物たちがワクワクしている様子などを可愛く、おかしく撮れたらいいなと思ってます。たぶん動物の習性がわかっているから、先が読めるのでいいショットを収めることができるんだと思うんですよね。可愛いでしょ~(ライオンの赤ちゃんの写真を見せながら)。

_夏休みシーズンの見どころやニュースがあったら教えてください

夏休み期間中と、9、10月の土曜、祝前日にキャンプ場がオープンします。キャンプ宿泊者はサファリで遊べて、ジャングルバスも体験できます。夜は動物の声も聞けるかもしれません。今年は草食動物の赤ちゃんが生まれているので、赤ちゃん探しも楽しんでほしいですね。

_大分の好きなところ、教えてください

大分は何を食べても美味しいじゃないですか。私は魚が好きで、フグとかの高級魚もあるけど、アジが一番好きです。アジは美味しい~!

_今後、チャレンジしてみたいことはありますか?

動物園である以上、社会貢献をしないといけないと思っています。当然、アミューズメント施設としてのアフリカンサファリであるけれど、将来は、産まれてきた減少傾向にある野生動物を野生に戻せたらと。法律の壁やコスト、自然界に戻すまでのプロセスなどいろんな問題もあるので時間はかかると思いますが、いつかはやらなければならないのかなと思っています。恩返しとして、自然に動物たちを還元することは、動物園がやる意義がある気がします。

「ゾウは社会性があってとても優しい動物。動物にもそれぞれの個性があって、人間や動物関係なく、それを『すげえな!』と認め合ってほしいですね」

_壮大な計画ですね! 実現できることを願っています

そうですね。あと動物を知ってもらうことも大事なミッションだと思っていて、少しでも好きになってもらうきっかけ作りができたらと常に思っています。インターネットや図鑑で動物のことは学べるけど、実際に本物を見るというのはとても大事な経験。私、プロレスも好きで、大学時代に武道館であった全日本プロレスで、ジャイアント馬場さんを見たときに感動したんですよ。「でっけー!すげー!」って。大きいだけじゃなく、イメージと違って動きは早いし、すごく強いんです。それってキリンやゾウとも同じだと思うんですよね。首が長い、鼻が長い、大きい、そして意外にも足が速い…と、私がジャイアント馬場さんを見た時の感動と同じ感動を、本物を見ることで子どもたちにも五感を通じて体験してほしくて、それを「馬場理論」って言ってるんですけどね(笑)。形や大きさは違えど「キリンって、ゾウって、すげえ!」と、種を超えて、多様性を認め合えるのっていいなと思うんですよね。それこそSDG’Sの中に動物を入れて欲しいぐらいです。あと「ブタ」って言葉は、よくネガティブなワードとして使われますけど、ブタは頭もいいし社会性もあって綺麗好きな生き物なんです。だからそう言われたら喜んでほしい。動物を卑下する感じで使われるのって、人間も同じ動物なのに上から目線ですよね。それと、ライオンとかゾウとかキリンとかって、幼稚園生や小学生に聞くと、みんな「ゾウさん」みたいに、「さん」をつけるんだけど、「サイ」だけ「サイ」なんです。「サイを舐めんな!」って言いたい(笑)。だからこれからもいろんな学校を訪問して「サイに〝さん〟を付けよう運動」をしていきたいです。でもなかなか認められないんですけどね。子どもたちにその話をすると「このおじさん、何言ってんだ?」みたいな感じで失笑ですけどね(笑)。
でもそうやって、会話の中に動物の話題が出てきたら動物が少し近くなるし、そういうきっかけをアフリカンサファリが作っていけたらいいなと思っています。

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